私はこうしてKindle本を書こうと思った!
私は、約40年間現役を続けた元コピーライターです。
伊勢丹、セイコー、ワコール、アサヒビールをはじめ、
現役時代、いろいろなクライアントの広告制作を担当させていただきました。
そもそもコピーライターとは、広告の文章を担当する職業で、
その仕事は、短いキャッチフレーズと
それを補うボディーコピーを書くことです。
現役時代の私は、どちらかと言えばボディーコピーより
キャッチフレーズを考える方を得意としていました。
そして何より、先に紹介したようにクライアントに恵まれていました。
いくつかの広告賞もいただきました。
もちろん、そうした広告のキャッチフレーズの創作は、
自分一人の能力だけでなく、クライアントの担当者様、
制作チームのディレクター、グラフィックデザイナーとの
共同作業によって実現します。
まず、クライアントから次に取り掛かる広告についてオリエンテーションがあります。
場所は、クライアント内の宣伝部の会議室の場合が多いです。
参加するのは、たいていはクライアントの宣伝部の担当者と、
こちらサイドのCD(クリエイティブディレクター)と、D(デザイナー)とC(コピーライター)の私。
広告代理店の方が参加されるケースもあります。
そんなオリエンテーションから始まって、
制作者側の我々は、ウンウン唸って制作案をいくつか考え、
カンプ(いわば制作見本)を作って今度は我々側からプレゼンテーションさせていただきます。
競合プレゼンの場合は、負ければすべてが水の泡。
単独プレゼンの場合は、気に入ってもらえなければ何度もプレゼンを繰り返す必要があります。
でも、掲載日が決まっていることがほとんどですので、何度も何度も続くわけではありません。
そうして生まれたキャッチフレーズ、
結構良いのでは!と思えるものがいくつかあります。
そして、それらのキャッチフレーズが生まれるまでのエピソード。
当時を振り返ると、笑えるものから、泣けるものまで、
ホント、いろんな出来事がありました。
それらを紹介したら、読んでいただく人に面白く感じていただけるのでは・・・
そう考えて執筆に取り掛かったのです。
これがKindle本の執筆が進まない理由の1つです。
それは、「これって、単なる自慢話じゃないの!?」と思われることへの恐怖です。
恐怖というと大袈裟ですが、気の小さな自分としては、気になって仕方がない。
これから書くKindle本にどんな価値があるのか?
少しは誰かの何かの役に立てるのか?
まだ完成してもいないのに、そんなことばかり考えてしまって、しばらく悩んでいたんです。
というのも、最近多いんですよ、ほんとに価値のないKindle本が。
・スマホで読まれる人を考慮したと言い訳して、でっかい文字で内容希薄。
・それって誰かの本の丸パクリでアレンジだけしてるでしょ!
・本文はある程度の量で、あとは自分の過去作の紹介でページ稼ぎをしている
私は読み放題のKindle Unlimitedに加入しているので
気になる本は片っ端から購入して読んでいるのですが、
そんなガッカリする本が本当に多くなっている気がします。
そろそろアマゾンも取り締まりを強化して、
そんな作家たちを排除する日が来るかもしれませんね。
話は逸れましたが、
「これって自慢話じゃないか!」はまだ私の執筆を邪魔していました。
でも、最近なんとかなるのではないか!
そう考え始めています。
というのも、前に触れた”エピソード”。
私の書いたキャッチフレーズにこのエピソードを添えて紹介すれば
少し面白いと感じてもらえる読み物になるのではないか。
そう考えるに至ったのです。
Kindle本の中身は確定。だが、あの人の名前が出てこない。
今執筆中のKindle本の中身の一部を紹介すると・・・
・あの阿久悠さんに作詞していただいたキャッチフレーズとは・・・
・開高健さんに褒めていただいた広告のキャッチフレーズとは・・・
・Mステでタモリさんに紹介されたキャッチフレーズとは・・・
・朝日新聞の天声人語で紹介されたキャッチフレーズとは・・・
・毎日広告賞で特選を受賞したキャッチフレーズとは・・・
・読売新聞の広告賞で部門賞をいただいたキャッチフレーズとは・・・
・斉藤慶子さんを蜘蛛の巣で捉えた広告のキャッチフレーズとは・・・
・TCCで準新人賞にしかならなかったキャッチフレーズとは・・・
・テータム・オニール起用の広告に採用されたキャッチフレーズとは・・・
・米国西海岸のブームに対抗したキャンペーンのキャッチフレーズとは・・・
・この世にはない文字で作ったキャッチフレーズとは・・・
ざっとこんな感じです。
でも、ある障害があるんです。
それは私の記憶力。
あの時のディレクターは誰だっけ?
顔はなんとなく思い浮かぶんだけど、名前が出てこない!
ああ、あの人も、あの人も。
さすがに何十年も経過しているからある意味仕方がないのかもしれませんが。
昔いただいた名刺は、すべて廃棄してしまったし。
まったく困ったものですね。
そんなわけで、なかなか筆(キーボード?)が進みません。
でも、近々完成させますよ、絶対に。
(ホントは紙の本を出版社から出したかったのですけどね)